ソニー純利益1兆円越え

ソニー(6758)決算短信発表
2021年3月期の連結純利益が1兆850億円の見通しと発表
前期比86%増。純利益が1兆円を超えるのは初。

株価(2021年2月4日)
11650 前日比+1015(+9.5%)

 ソニーの純利益が初の1兆円を超える見通しとなった。2月3日に決算短信が発表されると、翌日4日の株価は暴騰。前日比10%近い上げ幅となった。株価の時価総額も15兆円を超えた。

 決算内容を各分野別に見ると、ゲームと音楽の伸びが大きい。

主要6分野の営業利益
2019年度通期2020年度通期(見通し)
ゲーム23843400 (+43%)
音楽14231800 (+26%)
映画682720 (+6%)
電子機器8731250 (+43%)
半導体23561360 (-42%)
金融12961700 (+31%)
単位: 億円 カッコ内は前期比

(参照: Sony 2021年3月期第3四半期決算短信 [PDF]

 ゲーム部門は、PS5発売の影響もあったが、PlayStation Plus(月額課金)の会員数は2020年12月末時点で、4740万人と大幅増加。コロナ感染の拡大で、在宅時間が長くなったことが影響した。

 また、音楽部門は、子会社が作成した映画「鬼滅の刃」が、2020年内で興行収入320億円を突破。観客動員数は2400万人。コロナ感染拡大防止のために、洋画邦画のほとんど全ての大作映画が公開延期した中、感染者数の増加が小康状態となった10月に上映して、映画館をほぼ独占した状態になった。

 この2部門が増収増益に大きく貢献した。ソニーの今期の好決算は、自粛による巣ごもり消費の恩恵を最大限に受けた形だ。

ソニーの構造改革

 ソニーは2012年にCEOに就任した平井社長の下で、多角化経営によって膨れ上がり過ぎた事業を統合、整理し、構造改革を進めてきた。
 コングロマリットなどと呼ばれ、主要部門だけでも8つ以上、関連子会社は1000社以上。いったい何の会社なのか、全く分からないまま、規模だけは巨大に膨れ上がり、迷走が続いていた。

 どこでも見かけるが、いまいちパッとしない製品―――

 こういったものが、ソニーという名の下で、巷にあふれる状態だった。

 今期の決算を見ると、収益を牽引したのは確かにゲームと音楽であるが、電子機器、半導体、金融など他の部門の収益力も上がってきている。半導体は、コロナによる世界経済停滞の影響を直接受けてしまったが、画像センサーの占有率は世界1位であり、不安要素では全くないだろう。

 構造改革の成果がようやく出てきたのかもしれない。

 今期の好決算は、果たして実力によるものか、あるいは、コロナの自粛効果による「まぐれ当たり」だったのか?

 今後のソニー関連の情報に注視する必要があるだろう。

 と、思っていたら、今日また、大きなニュースが飛び込んできた。

ITmedia NEWS

ソニーとエムスリーが、犬型ロボット「aibo」100台を全国の医療機関に無償提供。入院している患者のストレス軽減を支援す…

 「入院患者の孤独や不安に寄り添う癒やしを提供したい」(ソニー広報部)

 いや、あの。。。

 ゼッタイ在庫処分だろ、これ!