誤用が出回る「強弱」の表現
営業「お、終業時刻までまだ時間あるのに、もう100万弱ですか。(一日の売上目標は100万だから、今日は残業なしだな~!)」
世の中、営業には売上目標ってもんが、どこにもあるもんで。なかなか厳しもんですな。
しかし、このやっこさん、この日は早く帰れると思ってウキウキしてたんだそうな。
が。世は、一寸先は闇。
そこへ上司がやってきて一言。「今日は売上目標達成するまで残業だっ!」ってなはなし。かわいそうに、やっこさん、この日も残業だったそうな。
まぁ、100万弱の意味を取り違えて、ぬか喜びしてたわけですな。
しかし、この数字の後ろに「強」とか「弱」とか付けて、大体の数量を言う表現。今じゃあ、よく間違えて理解している人が多いそうで。
近頃ってぇと、100弱って言ったら、110くらいって思う人も、90くらいって思う人もいる。
いやいや、100強ともなると、110だったり、160とか190くらいとか、そりゃぁいろんな解釈する人が出てくる有り様で。
こりゃあ余計に混乱するわけだ。互いに話がかみ合わなくなるわけですナ。
数字ってぇのは、正しく使わねえと、後でとんでもない誤解を招く代物。正しい使い方をきっちり分かってないといけねえ。それじゃあ今回は、この「強弱」の意味を確かめていきましょう。
数字に「強弱」付ける表現は、よく誤用されてますな。そもそも、なんでこんなに、ばらばらな使い方が広がったんでしょう?
今じゃあ、これ、よく誤用される表現の筆頭に挙げられるそうで。
まぁ思うに、これってネットの掲示板や知恵袋なんかでよく質問される言葉の誤用についての鉄板ネタになったのが原因じゃないですかね。
近頃の人は、辞書で調べないで、まずはネットの書き込みから調べる。まぁあっしも人のことは言えませんがね。もとい、今どき、辞書なんて、誰も持ってませんわな。。。
この件で、最初はあっしも、ぐーぐるってぇ偉ぇ先生に聞いてみたんですがね、そりゃ~もう大量の記事を紹介してくれまして。あっしなんかじゃ、読み切れねぇ。その内、自分でも何が正しいのかも分かんなくなってしまったってな調子で。
適当な書き込みを誰も彼もがそれぞれ信じちゃって、いろんな解釈が出回っちゃうんでしょうナ。
それで。辞書で調べ直してみたってわけで。まぁ困ったら、辞書の権威を借りるのが、昔からの知恵ってもんですな。
数字の強弱 – 正しい使い方
それで調べてみた結果はってえと。。。
強(きょう)
[接尾]数量を表す語に付いて、実際はその数よりも少し多いことを表す。数の端数を切り捨てたときに用いる。
goo国語辞書
弱(じゃく)
[接尾]端数を切り上げたとき、数を表す語の下に付けて用いる。
goo国語辞書
要約すると。。。
端数を切り下げたり、切り上げたりして、おおよその数字を表す時の言い方。
その数字を中心にして、少し多ければ「強」
少し足りなければ「弱」
たとえば、105とか110といった100以上の数字を切り下げて、ざっくり100と言うときは、100より少し多かったという意味で「100強」という。
逆に、95や90など、100に少し足りなくて、数字を少し切り上げて、ざっくりと100と言いたいときに、100より少し少ないという意味で「100弱」という。
ただし、切り上げたり、切り下げたりする数字がどれくらいなのかというのは特に決まりはなく、個人の感覚や文脈によるので、数字の解釈に幅ができる。
これでやっとすっきりしました。やれやれ。
要するに、100よりちょっと多ければ「100強」、100よりちょっと少なければ「100弱」ってことで一件落着。
もともと、正確な数字を伝えようってんじゃくて、ざっくりとした数字を言いたいときに使う表現だからねぇ、多少の誤解が生じてても、まぁなんとかなってたんでしょうな。で。余計に誤用が広まったんでしょう。
まぁはじめっから、正確な数字を伝えるか、「約~」って言えばいいだけの話なんですがね。「強弱」ってぇ曖昧な表現が禍の元で。
しかし、なんですな、曖昧な表現の正確な使い方ってのも、なかなか変な話ですナ。