ブックオフ、ついに架空買い取りの問題にメスが入る

ブックオフで架空買取の疑い

 中古書籍などの販売を手がける「ブックオフグループホールディングス」は、子会社が運営する複数の店で従業員が架空の買い取りや現金の不正な取得などを行っていた疑いがあると明らかにし、今月に予定されていた2024年5月期の決算発表を延期すると発表した。

 え?。。。今さら。。。?

 四半世紀前からずっとウワサされていたブックオフの架空買取。。。
 ホントかウソかよく分からないが、昔っからず~っと言われてきた。。。

 手口は意外と単純だ。
 買取を依頼された商品のいくつかを値段がつかないと言って無料で引き取り、それを着服するというものだ。
 「こちらの商品、お値段がつかなかったのですが、こちらで引き取って無料で処分いたしますがどういたしますか?」
 ブックオフで買い取りをお願いしたことのある人なら、一度は聞いたことがあるであろうセリフだ。
 自分も何度も聞いた。

 だが、実際に不正を行っていたのかどうかは不明だ。あくまでウワサでしかない。「無料で引き取られた商品が店頭に並んでいるのを見た」といった話がまことしやかに都市伝説風に語られていただけだ。

 自分も買取を依頼した本が、だいぶ無料で引き取られてしまったが、それをたとえ店舗側が勝手に販売していたとしても、当時(もう20年ぐらい昔の話だが。。。💦)、別に不正だとは思わなかった。むしろ、引き取ってくれてありがたいと感じていた。

 本というのは文化財だ。自分に必要がなくなったからといってポンポン捨てていいというものではない。誰かが読んでくれるのなら、タダでもいいから引き取ってもらった方がよいと考えていた。なので、処分されるよりは、店頭に並べてくれた方がよいと思っていた。
 どーせ、在庫管理も杜撰だろうから、買い取ったものも無料で引き取ったものも、ゴチャゴチャになって、店頭に並んでしまうのだろう、ぐらいに考えていた。
 店側の管理不足だったとしても、従業員個人の不正だったとしても、大した金額ではなかったし、気にしなかった。
 受領書も複写式の手書きだったし、まぁ、なにかとゆるい時代だったのだ。

 しかし、創業以来ずっとこんな調子だったのに、なぜ今頃になって突然問題化したのだろう?

今になって不正公表となった背景

 今回の発表で、ブックオフは弁護士など外部の専門家による特別調査委員会を設置するとした。さらには、財務への影響を調査するため決算発表の延期まで決定した。
 事態の深刻さが窺われる。

 まだ調査段階なので詳しい実態は分からないが、今になって不正が公表された背景はいくつか推察することができる。

 買取業務や在庫管理にPOSシステムが導入されて、今では不正が行われづらくなっているはずだ。それにもかかわらず、不正があるということは、店ぐるみ、あるいは複数の従業員が結託して行われている可能性が高いということ。
 ブックオフは、現在、古本以外の中古家電、家具、衣類など、リサイクル品全般を扱うようになり、商品単価が高額になっていること。
 従業員の不正着服の手法が巧妙化していること。

 。。。など、こうした要因から、事態が深刻化しているのではないかと思う。

 ブックオフとは資本関係のない独立した会社だが、中古家電販売業のハードオフもまったく同じ日に!(偶然らしい)、従業員による不正買取を公表している。

 ハードオフを運営する株式会社エコノスは、内部調査で、北海道の店舗で約3200万円相当の所在不明在庫が発覚したと発表。しかも、その店舗の店長が調査中に行方不明となり、現在も見つかっていない!?という。
 ハードオフはPC関連商品や中古家電を中心に扱っているだけ、不正金額も大きくなっている事情が窺える。

 10円で買い取った文庫本を100円で売る――

 こういった牧歌的な時代はとうに過ぎ去ったのだ。