南米アマゾン森林火災記事まとめ

深刻化するアマゾンの森林火災

南米アマゾンの森林火災が拡大している。

8月上旬から猛威を振るい始め、一向に収まる気配がない。ブラジル国立宇宙研究所 (INPE) の発表によれば、ブラジル国内の森林火災発生件数は、今年、すでに7万8000件を超えた。

【8月25日 AFP】ブラジル・アマゾン(Amazon)の熱帯雨林で森林火災が猛威を振るっている問題で24日、新たに16…

そのうち1万件が8月中旬以降の2週間ほどの間で起きている。

2018年同期(1月~8月)の火災発生件数は約4万件で、すでに2倍近い数字。2013年の観測以来最大の発生件数だ。

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ブラジルのアマゾン熱帯雨林で、何千件もの森林火災が猛威を振るっている。被害の大きさを図説する。…

火災の範囲も広範囲にわたっている。
現在、火災は、ブラジル北部を中心に、アマゾン川流域に沿って、ボリビア、ペルー、パラグアイ、エクアドル、ウルグアイ、アルゼンチン、コロンビアと拡大を続け、国を超えて南米全体に広がった。

NASAが8月23日、火災を捉えた衛星画像を公開している。火災が南米全体に亘っていることが分かる。

アマゾンでは、7月から10月が乾季にあたり、毎年火災発生件数の多い時期で、今後さらに拡大すると懸念されている。

人為的に引き起こされた森林火災 – ブラジル大統領ボルソナロの責任

このアマゾンの大規模森林火災は、なぜ起きたのか。それは、人為的に引き起こされたもの、というのが多くの専門家の意見だ。
特に、ブラジルのボルソナロ大統領によるアマゾン流域の開発政策が大きく影響しているとみられる。

2018年10月のブラジル大統領選で、極右政党の社会自由党に所属する元軍人のジャイル・ボルソナロ下院議員が大差をつけて勝利した。
ブラジルでは、2003年から2016年の13年間、左派の労働者党が政権を担ってきた。極右政党出身のボルソナロ大統領の誕生は、ブラジルの政策に大きな方向転換をもたらすことになった。

彼は、地球温暖化に関して、極めて懐疑的な態度をとっている。2015年に地球温暖化防止に関して結ばれたパリ条約からの離脱を示唆。大統領選の最大の公約に、アマゾン地域の大規模開発を掲げた。

就任以降は、環境保護関連の政府予算を削減。環境保護団体への補助金や違法伐採を取り締まる予算が削られた。
ボルソナロ政権は、環境保護よりも開発を優先し、積極的なアマゾン川流域の開発を進め、過剰な森林伐採を行ってきた。また、牧草地や農地拡大のために野焼きを奨励した。

結果、人為的に引き起こされた火災は、政府の制御できる範囲をはるかに超え、8月には南米全土へと延焼が拡大してしまった。

BBCニュース

ブラジルで28日、大統領選挙の決選投票が行われ、極右・社会自由党のジャイル・ボルソナロ下院議員が大差をつけて勝利した。…

ブラジル国立宇宙研究所 (INPE) は7月と6月の2ヶ月間で、アマゾンでの森林減少が前年同月比で88%増加したと発表。この発表に対し、ボルソナロ大統領は、虚偽の発表によって政府に損害を与えていると激しく非難。INPE所長を、なんと解雇した。

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さらに国際的な非難に対しては、火災はNGOなど環境保護団体がボルソナロ政権を陥れるための陰謀だと主張。環境保護主義者による放火の可能性があると述べた。

「断定はしないが、私や政府への反発を招こうとするNGO関係者の仕業とみられる」
「私の直感は、誰かが撮影のために現場に行き、着火したことを指し示している」

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このほかにも、ボルソナロ大統領による妄言、暴言は後を絶たない。

ボルソナロ大統領の森林火災対応を非難したノルウェー政府に対し、「アマゾン基金の40%は環境主義者たちの避難所となっている非政府組織(NGO)に使われている。ノルウェーが支援している、クジラの殺害を見ろ」とTwitterに投稿。捕鯨によって血に赤く染まった海の様子を写した動画を紹介した。
しかし、この動画は、デンマークのもので、ノルウェーは関係がなかった。

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環境保護に関して記者から問われた際には、「(環境のためには)少し食べるのを控え、大便を毎日ではなく1日置きにとどめるだけでいい。そうすれば生活もずっと良くなる」と解答。

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G7でアマゾン森林火災を主要課題とすべきだと主張したフランス大統領マクロンに対し、「見当違いの植民地主義」と非難し、主権侵害と主張した。

「アマゾンの問題を、その地域の国抜きでG7で協議するというフランスの大統領の対案は、誤った植民地主義的な思考を想起させるもので、21世紀にふさわしくない」

ボルソナロ大統領は、G7の提言を主権侵害と非難する一方、自国だけでは対応できないことを認めた上で、ブラジル政府には火災に対応する手段を持っていないと開き直った。

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さらに非難の矛先は、マクロン個人にまで及び、マクロン夫人を揶揄する発言まで飛び出した。

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ボルソナロ大統領には、火災関連以外にも、女性蔑視や人種差別的なさまざまな不適切発言がある。日本人に対する侮蔑的な発言も過去に行っている。

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ほとんど人格破綻者で、とても大統領職にふさわし人物とは思えない。トランプ気取りで放言を繰り返しているのだろうが、まだ経済、外交ともに何の実績もあげていない。国外からの非難を口汚く言い返す姿は、国内受けはいいのかもしれないが、国際的な信用を著しく損なっている。

ブラジルに対する事実上の経済制裁の始まり

8月24日から二日間フランスで開かれたG7で、アマゾンの火災対策のために、ブラジル政府に対し、G7参加国が2200万ドル(約23億3000万円)の金融支援を行うことが合意された。

だが、ブラジル政府は、この支援金の受け取りを拒否。ボルソナロ大統領は、ブラジルを「植民地か無人地帯のように扱っている」と批判した。

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このようなブラジル政府の強硬な姿勢に業を煮やした欧州各国からは、事実上の経済制裁が議論され始めている。

EUは、6月にブラジルを含む南米4カ国の関税同盟、南米南部共同市場(メルコスル)と合意した自由貿易協定 (FTA) の見直しを示唆。ブラジル産牛肉の輸入禁止も検討されている。

民間ではすでにブラジル製品のボイコットが始まっている。欧州やアメリカの衣料、靴メーカーを中心にブラジル産皮革の発注停止が相次いでいる。

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