東芝、原発で数千億円損失 最終赤字の可能性 17年3月期
東芝は27日、2017年3月期に米国の原子力発電事業で数千億円(数十億ドル)規模の減損損失が出る可能性があると発表した。15年末に買収した米社で当初想定していなかった巨額のコストが生じ、資産価値が大幅に低下するためだ。今期の最終損益は3期連続の赤字となる可能性が高まっており、綱川智社長は「資本増強を検討している」ことを明らかにした。会計不祥事から立ち直りつつあった東芝の先行きは再び混沌としてきた。
損失は東芝の米原発子会社ウエスチングハウス(WH)が15年末、米エンジニアリング大手シカゴ・ブリッジ・アンド・アイアン(CB&I)から買収した米原子力サービス会社CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)で生じる。
S&Wは原発の建設などを手がける。米国内での工事費や人件費などの追加コストが膨らみ「損失が数千億円規模になる」(綱川社長)。当初は買収価格と実際の企業価値との差額を示す「のれん」は約105億円と見積もったが、想定より企業価値が下回ることが判明した。
WHとS&Wは2000年代後半から原発事業で協業してきた。15年に親会社の東芝本体が会計不祥事で経営危機に陥るなか、WHは事業の一体運営を目指してS&Wの買収に踏み切ったが裏目に出た。「海外の工事だけにコストが想定を上回った」と説明している。
原発は安全への意識が高まるなか、想定通りのコストで建設が進まないケースが増えている。仏アレバも新型原子炉の建設コストが膨らみ、経営危機に陥った。
東芝が再び経営危機に陥っている。
昨年の粉飾決算発覚以来、東芝は、医療などさまざまな分野の身売りを進め、原発と半導体の二つを主力にして経営再建を進めてきた。
その肝心な原発事業で、数千億規模の特損の可能性が出てきた。
しかもこの発表は、昨年末12月27日のこと。翌日28日から東芝本社は年末年始の休業に入る(笑)。
最終営業日まで発表を遅らせたうえで、お休み。説明責任はどこへ行った??
こりゃ、誰もがアカンと思っていた矢先、年明け早々に新たな追加不祥事発覚。
東芝、400億円粉飾の疑い 監視委、検察に調査報告へ
東芝の不正会計問題で、2014年3月期までの3年間で400億円規模にのぼる決算の粉飾をした疑いがあるとする調査結果を証券取引等監視委員会がまとめたことが関係者への取材でわかった。監視委は、歴代3社長が不正会計に関与した疑いが強いとみている模様だ。
監視委はこれまでも刑事告発の意向を示したが、昨年7月に東京地検から「立件は困難」との意見を伝えられたため、歴代3社長ら関係者を任意で聴取するなどしてさらに調査を進めた。その結果は退任した佐渡賢一・前委員長の下でまとめられ、12月に就任した長谷川充弘委員長に引き継がれた。他の委員2人も交代したため、新体制で改めて精査した上で方針を決め、検察に調査内容を報告するとみられる。
調査結果で問題視されているのは、佐々木則夫氏が社長だった12年3月期と13年3月期、田中久雄氏が社長だった14年3月期のパソコン部門の会計処理。関係者によると、利益が出ていないのに総額400億円規模で有価証券報告書に「増益」などと記載した金融商品取引法違反の疑いがあり、会長だった西田厚聡氏も含めて刑事責任を問うべきだとしている。
粉飾の疑いがもたれているPC事業の売上高を示したものがこれ↓
(出典: 粉飾決算の手口で学ぶ、会計思考力 – 日本実業出版社)
なんじゃこりゃ。嘘発見器か、これ(笑)。
2008年の6月辺りから、針が振れまくってるっ!もう「うそ」って言ってるじゃん!
実際は赤字なのに、四半期の決算日ごとに「増益」させるとこうなるらしい。
・参考画像
しかし、これだけ不祥事連発でも誰も責任取らないのか。。。
これも「粉飾決算」ではなくて、「不適切会計」で言い逃れるんだろうか。
だれも刑事処分を受けないし、上場廃止にもならないし、ほんと、原発利権に関わる国策企業は、何やっても安泰なんだなー。(日本ってホント中国みたいな国だな。)
これじゃぁ、株主も安心なわけだ。(実際、東芝の株価は、12月30日の258.7円から1月5日で290.5円まで上昇した)
東芝が反発、強弱感対立も上値探る展開
東芝<6502>が反発。米国の原子力事業で最大で数千億円規模の損失が発生する可能性があることが警戒され、昨年末から株価は急落。200円台後半の株価には、強弱感が対立しているが、足もとでは上値を探る展開となっている。ドイツ証券は先月30日のリポートで「買い」推奨を継続している。
う~ん、どうやら、この調子じゃ、原発利権企業は国策で潰れそうもない。この三流社会主義国家では、原発もサザエさんの放送もまだまだ安泰なようだ。