【どうしてこうなった!?】インフレターゲットと金融緩和 – 消費回復につながるアメリカと企業の内部留保につながる日本

膨らむ内部留保 増えない給与 366兆円 最高更新

 企業が余らせた利益に当たる「内部留保」が過去最高になったことが明らかになった。財務省が一日発表した一~三月期の法人企業統計(金融・保険業を除く)によると、内部留保を指す「利益剰余金」は三月末時点で前年同期比6%増の三百六十六兆円。一方で、従業員の給与は横ばいのままで、企業のもうけを働く人たちの賃金の増加と個人消費の増加につなげようとした政府のシナリオは実現していない。 (吉田通夫)

 内部留保は正式な会計用語ではないが、一般的には、企業の売り上げから従業員への給料や、株主への配当を終えて残った「利益剰余金」の蓄積のことを指す。

 内部留保は安倍晋三政権の発足以降、急増しており、二〇一二年十二月に比べると、34%増えている。日銀による大規模な金融緩和で円安が進み、企業が海外で稼いだ売上高や利益が円に換算すると大幅に増加。その一方で、国内での設備投資や従業員に支払う給与は抑制しているためだ。今年一~三月期に企業が従業員に支払った給与は二十八兆円と、前年同月比でほぼ横ばい。政権発足時の一二年十~十二月期と比べると3%減少している。

東京新聞

(* `・д・) : なんか、ほんとにヒドイ数字だねー

 安倍政権発足以来、企業の内部留保は34%の増加。

 で。

 一方の給与は、3%の減少!!って。。。

 トリクルダウンとか、一体なんだったんだろうね。。。

(=´・ω・) : 「とりくるだうん」なんて、全くのインチキなんて、初めから言われてたじゃん!!

 日本にインフレ政策を提言したクルーグマンだって、とりくるだうんなんてインチキって言ってたよっ!💢💢

(* `・д・) : こんだけ金融緩和しても、企業の内部留保が増えるばっかりじゃねぇ。。。これじゃ、日本の消費が回復するわけないよね。

 日本のGDPがマイナス成長するのは当然だわ、こりゃ。

(=´・ω・) : 日銀が刷ったお金は、全部企業の内部留保に消えただけ。経団連の言うこと聞いてた結果がこれ。

(* `・д・) : 金融緩和を続けてきたアメリカじゃ今、失業率も改善してきたし、消費も伸びてきてるのにね。何が違うんだろう?

(=´・ω・) : 金融緩和をしたら、それを労働者や消費者、投資家に還元できる仕組みが、日本じゃそもそも脆弱なんだよ。

(* `・д・) : それじゃ、どーすれば、消費者にお金が回るようになるんだろ?

(=´・ω・) : 革命っ‼

(* `・д・) : おい!

(=´・ω・) : 前回の記事でも指摘したけど、アメリカ人の家計における資産構成は、投資比率が非常に高くて、アメリカの投資比率と日本の貯蓄比率は、ほぼ同規模なんだよね。
 だから、株式市場へと流れる個人資金の規模が、圧倒的に大きいんだよ。

 さらにアメリカでは、個人が株主として企業を監視する文化ができてるから、個人投資家が議決権を行使する割合が高い。日本みたいに企業が内部留保ばかり溜め込んで、労働者や投資家に還元しないような経営を許さない。企業が不祥事を起こせば、株主代表訴訟がすぐに起きる。

 個人投資家の発言権が相対的に大きいから、個人投資家が企業統治(Corporate Governance)の役割の一端をきちんと担っているんだよ。

(* `・д・) : 日本の企業は、株式のほとんどが関連企業内で持ち合いだからねー。それで、個人投資家による管理が機能しない。
 労働者の権利を守るはずの労働組合も企業別で組織されてて、経営陣と馴れ合いだし。

 これじゃ、日本の経営者は、ホント無敵だね。

(=´・ω・) : そう。

 よーするに企業を監視する仕組みができてない。けーえいしゃのやりたいほーだい。

 しかも、この無敵の経営者が集まって「けーだんれん」とかいう悪の組織(政治的圧力団体)を作ってるから、政治もまともに機能しない。

 企業統治が不在で、企業を監督する行政も機能しないから、労働分配率は、企業に有利なように極めて低く抑えられている。
 経営者や経団連にとってみれば、労働者や国民は、搾取の対象ぐらいにしか考えてないんだろ。

(* `・д・) : だから、企業の内部留保が増えても、給料上がらないのかー。

 非正規雇用を増やして、賃金も圧縮してるし。海外から技能実習生という名の安価な奴隷単純労働者の受け入れも拡大してるし。

 でも、企業にとっても、このまま、日本の消費が伸びなかったら、業績の回復もままならないじゃん。回りまわって、自分の首絞めてるだけじゃないの?

(=´・ω・) : そー思うでしょ。

 でも、日本では、アメリカ人のクレジットカード依存なんか、比べ物にならないぐらい、過剰消費してる人たちがいるから、大丈夫なんだよ。

(* `・д・) : 今の日本で、そんな人いる?

(=´・ω・) : いるじゃん。ほら、あれ。

(* `・д・) : え?なに?

(=´・ω・) : 日本政府。

 日本政府は、補正予算で、赤字国債の1年限りの発行を認める特例法で、赤字国債を発行している。それを毎年繰り返してる。特例法の意味なし。

 しかも、日本の行政は、誰も何の責任もとらなくて良い仕組みになってるから、国のお金は使ったもん勝ち。

 政官財がっちり癒着した中で、無意味なことにひたすら支出されてる。

 そーしないと景気が回らないから、そうするんだけど、でもそーすると今度は、財源が足りないから、消費税10%にしますとか、もうワケ分かんないことしてる。

(* `・д・) : アメリカは、個人がカードで借金して、消費を回してて、日本は、国が国債で借金して消費を回してるってこと?

(=´・ω・) : そうだよ。日本政府の借金は、今、1000兆を越えてるんだよ。

 すべてのツケを今の若者と将来の子供たちに回して、今さえよければ良いって考えで巨額な国債を毎年発行してる。

 しかも、その国債をファイナンスしているのは、銀行を中心とした金融機関で、日本国民がせっせと貯めた預貯金が原資になってるんだよ。

(* `・д・) : え”ー!なにそれ。なんだか皮肉な話だね。。。

(=´・ω・) : 日本は貯蓄比率が高いから、1746兆円もの巨額の預貯金がある。

 日本の国債が、国内だけでファイナンスできるのはこのおかげだよ。
 ふつーは、国外に売ったりして、発行に制限がかかるけど、日本人は投資をしないで貯蓄をするから、銀行をはじめとした日本の金融機関には、大量の余剰資金がある。

 日本の銀行は無能だから、将来有望な成長産業を見つけ出してきて、そこに投資をするんじゃなくて、単に国債を買うだけっていう一番楽な運用しかしてない。よーするに、日本の銀行は、日本の経済や産業を発展させるための、何の努力もしてない。
 日本で国際競争力のある成長産業が生まれない理由のひとつだね。

 で、国債によって得られた資金は、政府が予算を配分して、官僚が裁量権を持って使うものだから、天下り企業とか大して生産性のないゾンビ企業に資金が回される。もちろん、これも経団連の意向に従って。

 だから、既得権益層ばかりブクブク肥え太って、新しい成長産業にはお金が回らない。

(* `・д・) : 国民がぜんぜん増えない給料のなかで、必死に遣り繰りして、一生懸命ためた貯金は、結局、政府と経団連にいいように使われてるってこと?

(=´・ω・) : うん。平たく言うとそーいうことだよね。

 アメリカ人が個人でカードを使いまくって消費を回しているのを、日本の場合は国がやってるんだね。

 よーするに、政府が、クレジットカードのリボ払いで、負債を先送りして、贅沢三昧している感じかな。しかも、その金をファイナンスしているのは、国民が必死で節約したお金(笑)。

(* `・д・) : 。。。何ナノそれ?

 こっちは、給料ぜんぜん増えないのに、社会保障費や税金ばっかり上がって、ほんと苦労してるっていうのにっ!!

(=´・ω・) : 政府や官僚、経団連にとってみれば、ひたすらおとなしく貯蓄だけしてる国民は、ほんとにありがたい存在なんだと思うよ。

 労働時間いくら伸ばしたって文句言わないし、給料増やさなくたって文句言わないし、非正規雇用増やしたって文句言わないし。
 株主になって企業を監視することもなければ、産業別の労働組合に加入することもない。そもそも、選挙にすら、ろくに行かないんだから。こんな素晴らしい国民、他にいないよ。

(* `・д・) : 。。。

 なんだか、腹立ってきたー!

 さっきから、なんか嫌味なことばっかり言ってないで、もっと建設的なことはないのっ(怒)!!

(=´・ω・) : こっちだって言いたくていってるんじゃないよー!

 正しい景気回復のあり方について言えば、それは、やっぱりアメリカを参考にすべきだと思うよ。もちろん、全くそのままってわけにもいかないだろうけど。

 日本のけーざいあなりすととかいう連中は、日本政府が最終消費者になって景気を支えなきゃいけない、みたいなこと言ってるけど、労働者や投資家といった一般の国民に資金が還元されて、それで消費が回復するのが正しい景気回復のあり方だよ。

 日本は、経団連お抱えのアナリストやら、御用記者、御用学者ばっかりだから、そーいった人たちの言葉を信じては絶対にだめだよね。

(* `・д・) : うーん、やっぱり、政府がお金を使うんじゃなくて、国民がお金を使うような仕組みにしなきゃダメってことね。

(=´・ω・) : まぁ、ともかく、最後に建設的なことを言うとしたら、さっき言ったことの逆をすればいいんだよ。

・株主になって企業を監視すること。
・自らが投資家になって、成長性のある産業、分野にお金を回すこと。
・産業別の組合に加入すること。
・選挙に行くこと。

 まず、もっとも基本的なこうしたことから、はじめていけば良いんじゃない?

(* `・д・) : やっぱり、革命だっ!!!!

(=´・ω・) : おい。

【前回記事】
アメリカ人の経済観念

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