猛暑日、酷暑日、熱帯夜 – いったい何度?その制定の由来と背景

夏日

 一日の最高気温が25℃以上の日。

真夏日

 一日の最高気温が30℃以上の日。

猛暑日

 一日の最高気温が35℃以上の日。

 2007年に気象庁によって制定された予報用語。90年代後半から一日の最高気温が35℃を超える日が急増したことから、従来の真夏日に加えて新たな名称が追加された。
 気象庁の記録では、制定直前の10年間(1997年から2006年まで)で、東京、名古屋、大阪、福岡の主要4都市で35℃以上となった日が計300日以上にのぼっている。

熱帯夜

 一日の最低気温が25℃以上の日。

 気象庁は、気温の統計を日単位(0~24時)でとっているため、夜間のみの記録はなく、一日の最低気温を夜間の気温として扱っている。夜間でも気温が24℃以下に下がらない日、ということ。

酷暑日

 一日の最高気温が40℃以上の日。

 2022年、日本気象協会が独自に制定した用語。
 21世紀に入って以降、40℃を超える日が増加傾向にあるため、注意喚起の意味を込めて制定された。日本気象協会によると、40℃を超える日は、統計が残る1875年から2000年までは8回、01年以降の約20年間では59回となっている。
 気象庁は40℃以上の日に関して特別な名称は定めていない。

焔暑日

 一日の最高気温が45℃以上の日。

 2026年、気象省が新たに制定した気象用語。同年、40℃以上の日に関して、酷暑日と呼ぶことも正式に認定された。
 前年の2025年に熊谷で日本観測史上初の46℃を記録。今後45℃以上を記録する日が各地で増加することが予測されたため、新たな予報用語として追加された。

灼熱夜

 一日の最低気温が30℃以上の日。

 2027年に気象庁が新たに制定した気象用語。前年の2026年は記録的暑さとなり、最低気温が30度を超える日が、東京、大阪でそれぞれ年間80日を超えたため、新たに制定された。

獄暑日

 最高気温が50℃以上の日。

 2028年、気象省が新たに制定した気象用語。翌2029年、気象省は、地球温暖化を過小評価していたこと、国民への注意喚起を怠ったことの責任を問われ解体、気象安全省に改組された。一部報道では、気象省解体は、温暖化対策を怠った政府による責任転嫁だったのではないかと議論されている。

無暑日

 最高気温が55℃以上の日。

 2030年頃から人々の間で自然と使われるようになった言葉。気象安全省非公認。
 観測気温で55℃以上だと、都市部では体感気温が60℃を超えていて、もう暑さを感じない。何も感じない。汗すらかかなくなり、自然と意識がなくなり、暑さだけでなく、一切の感覚がなくなる。そこで無暑日と呼ばれるようになった。

 2031年、気象安全省は、気候安全法を制定。気象予報事業を気象安全省の独占事業とし、一般研究者、民間業者による気象予報を禁止した。また、「地球温暖化」に関する研究を「国民の安全を脅かすもの」として禁止、またそれに関する説をネットやSNSを通じて発表・流布した場合は、陰謀論として取り締まりの対象となった。
 同年、自民党政権は、第3次京都議定書を破棄。温暖化対策を日本に要求することは主権侵害として、国連から脱退した。

 2035年――そして、誰もいなくなった。

参考

「酷暑日」その命名理由は?最高気温40度以上、今年すでに8地点 – 東京新聞
猛暑日 – コトバンク
熱帯夜 – コトバンク