なぜアメリカでは多くの人々がマスク着用に反対するのか? – Anti-Maskers

マスク着用に揺れるアメリカ

 マスク着用の義務化をめぐる混乱は、より一層混迷を深めるばかりで、どうも収まりそうな様子はない―――

 もちろん、アメリカでの話。
 7月時点で、全米50州のうち民主党知事の州を中心に18の州で、公共な場におけるマスク着用が義務化された。

 コロナウイルスが広がり始めた2月、3月頃までは、欧米諸国では、「マスクは不要」「マスクに感染拡大防止の効果はない」という論調が主流だった。だが、感染拡大が深刻化した4月頃からは、論調が変化。マスクを着用を支持する人々が増え始め、そして、6月以降は、ヨーロッパ各国が相次いで、公共の場でのマスク着用の義務化を決定。
 こうしたヨーロッパ各国の流れを受けて、アメリカでも公共の場でのマスク着用義務化を法制化する州が増え始めた。

 しかし、これに対し、多くの人々が反発。マスク着用をめぐって、アメリカ各地で様々な混乱や衝突が相次いで起きていて、それが連日のように報道されている。

・マスク着用を求められて激怒する人たち

 しかし。。。

 ここまで激怒する?🤨

 なんで、多くの人々が、これほどまでマスク着用に反対するんだろう?

 と、不思議に思っていたら、とある動画が話題になっていた。

 フロリダ州パームビーチの郡制委員会での動画。一般市民が参加して開かれた公聴会の席で、地元住民がマスク着用義務化について意見を述べている。
 マスク着用に反対する人たちが何を考えているのか、非常に参考になる。

 この一般参加の委員会で、市民が述べている意見をざっとまとめると以下のような感じ↓

・息を吸うことは神から与えられた恩寵であるという強い宗教的信念
・憲法で保障された個人的権利と自由の尊重
・自分の身体は自分で管理するという自己責任論
・アメリカは自由の国であり、共産主義国家でも独裁国家でもない。

 なんというか。。。スゴイ信念っ‼😳

 政治的信条、宗教的信念、文化的習慣による強烈な感情的反発とそれに基づいたマスクに対する熱い偏見ッ!!
 こうした人々には、マスクの効用について、いくら医学的、科学的な根拠を示して説得したところで、おそらくムダなんだろうな。。。

 これは極端な事例かもしれないが、内陸部の州や共和党支持者の多い地域などでは、このような考え方を持っている人が多いことは確かだろう。
(赤いTシャツの女性は、宗教的な信念に基づく過激な意見を述べて、メディアに何度も取り上げられ、特に有名になった。意見はブッ飛んでいるが、法制化をめぐって一般市民が意見を述べる機会が与えられるのは、民主主義としてアメリカの非常に優れた点だと思う。)

マスクに反対する理由とは。。。?

 もともとアメリカにマスクをする習慣はなく、そのため、アメリカでのマスクに対する印象や意見は、ほとんどが否定的なものだった。
 多くのアメリカ人がマスクに対して抱く印象は、だいたい次のようなものがよく挙げられている。

・マスクは病人がするもの。
・マスクをして顔を隠している人は犯罪者。あるいは、何か後ろめたいものがある人。
・表情を隠す人は、会話や意志の疎通を拒絶しているように見える。
・顔を布などで覆う習慣のある宗教や民族に対する強い偏見。

 以前テレビのインタビューで、アメリカ人の女性が「マスクをしている人は何か犯罪を企んでいそうで怖い。一人では絶対に近づけない。」と述べていたのが非常に印象的だった。
 また、アメリカでは会話(communication)において、「表情」が非常に重要なので、表情を隠す行為は何か拒絶されているような印象を受けるらしい。
(アメリカ人から、日本人は会話において表情の変化が非常に乏しいので、何を考えているのかよく分からない、という指摘が昔からあった。そういえば、ずいぶん前だが「能面のような日本人」という言葉が流行った時期があったっけなぁ。)

 結局、アメリカでは、マスクが感染拡大防止に役立つのかどうかという医学的、科学的な調査に基づいた議論に至る前に、政治的信条、宗教的信念、文化的習慣に基づいた感情的な反発が強く、冷静な議論自体ができていないという状況だ。

 マスクの着用は、感染拡大防止という医学的な観点をすでに離れて、もう、党派的な政治的信念の争いになっている。そのため、お互いに譲らず議論は平行線だ。
 結果として、マスク着用に反対する人が多ければ多いほど、マスク着用を法律で義務化しなければならなくなる。義務化されれば、さらに反発が強まる。。。という完全な悪循環だ。

 ヨーロッパ各国のような義務化の流れが起こらないようにするためにも、特段の事情がない限り、自発的にマスク着用を行っていく方がよっぽどましだと思うのだが。。。

 マスク着用を義務化、法制化することはすべきでないだろう。人にはそれぞれ身体的、経済的、医療的に異なる背景があるので、法律で一律に義務化することは弊害の方が大きいように思う。
 法制化させないためにも、マスク着用を極力、個々人が自発的に進めていくことが重要だ。

 まぁ、日本は今のところ法制化される心配はなさそうだが、アメリカではなんでこんな単純なことができないのだろう。。。??

(ただ、日本は島国社会特有の同調圧力が強いだけなのかもしれないが。実際、「自粛警察」「マスク警察」と呼ばれる人たちが現れているところを見ると、日本の状況も決して褒められたものではない。。。)

・SNS上では、マスクをめぐるトラブルが日々大量に投稿されている。なにか鬼気迫るものを感じる。。。

 。。。しかし、スゴイ迫力!!

 皆さん、マスクしましょう😷