糞尿都市・東京
ひじょーに汚い題で申し訳ない。
代わりに、画像はさわやかなものを選びましたので、ご容赦ください。
さて。
オリンピックのおかげで、東京都が長年放置し、なおざりにされてきた問題に焦点が当たっている。そう、う〇この。。。いや、ちがった、下水処理の問題だ。
2020年の東京五輪トライアスロンの正式会場である「お台場海浜公園」で、8月11日試験大会が行われたところ、参加選手から「クサイ」と苦情が相次いだ。
これを契機に、お台場の水質に関する報道が相次いだ。
実は、東京湾には未処理の下水がそのまま流れ込んでいて、東京都の水質調査では、糞便性大腸菌群数や腸球菌数、透明度、水温などで競技団体の定める基準値を超える結果が過去に何度も出ていたらしい。
このような糞尿垂れ流しの場所がなぜ、水質基準に合格し、オリンピックの正式会場となったのか、というと、水質が特に悪化するのは、雨水が下水道に流れ込んで、下水処理施設の処理能力を超えて、そのまま河川や海に排水されてしまう場合に限られているからだ。よーするに、晴れの続いている日に検査を行えば比較的、「まし」な結果が出てくるということだ。
東京23区の下水道の約82%は、生活排水と雨水を同じ下水管で処理する「合流式」と呼ばれる方式を採用している。そのため、大雨などで下水の量が処理能力を超えると、未処理のまま下水が河川や海に放出される事態が発生する。
よーは、垂れ流しである。
こうした事実が、何十年と渡り放置され続けているのだ。

ゲリラ豪雨に備えた東京の下水インフラを!
ここ最近、「ゲリラ豪雨」と呼ばれる突発的な大雨が、東京でも頻繁に起きるようになっている。短時間で一気に雨が降るこの現象は、気候変動の影響とされ、以前よりも雨の降り方が極端になってきているのが実感される。
問題は、こうした大雨に東京の下水道システムが全く対応できていないことだ。東京の多くの地域では、雨水と生活排水を一緒に流す「合流式下水道」が使われており、大雨が降ると下水処理場が処理しきれずに、汚水をそのまま川や海に流さざるを得なくなる。つまり、大雨のたびに「汚れた水」が東京湾に放出されているというわけだ。
しかも、こうした排水は雨が止めば「なかったこと」のように見える。だが、実際には湾内に滞留し、水質悪化の原因となっている。気温が高い時期などには、細菌が増殖しやすくなり、衛生面のリスクも無視できない。
東京都も一応の対策は進めていて、貯水槽をつくったり、下水を一時的に溜め込める構造を導入したりしている。しかし、それらはあくまで「その場しのぎ」でしかなく、大本の合流式下水道そのものを改修しない限り、根本的な解決にはならない。
気候変動によって、これから先さらに雨の降り方が激しくなるとすれば、今のままでは都民の生活や健康にも影響が及ぶ。オリンピックなどの大イベントがある時だけ注目を集めて、終われば忘れ去られる——そんな繰り返しでいいのか。
今求められているのは、見せかけの対策ではなく、「壊れかけた都市インフラ」を正面から立て直すという、政治的決断と投資だ。気候が変わった今、私たちの街のつくり方も変えていかなければならない。
東京の水質問題は、「五輪の時だけの一時的な課題」ではない。都市そのものの持続可能性を問う問題である。

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