販売直後からの異常事態──連続する発火事故
サムスンが炎上している。いや、文字通り燃えている。
Samsungのフラッグシップモデル「Galaxy Note7」は、2016年8月19日に発売されるや否や、バッテリーが発火する事故が世界中で報告された。
発火、煙、爆発──日常生活の中で突然、スマートフォンが火を吹くという衝撃的な現象に、消費者は混乱し、企業は対応を迫られた。
Samsungはわずか数週間後の8月末に販売を停止し、世界10カ国で約250万台の回収を発表。これは、スマートフォン業界でも異例の大規模リコールだった。
バッテリーを交換しても止まらない火災報告
Samsungは問題の原因とされたバッテリーを、韓国製から中国製へと変更し、10月から販売を再開。しかし、ここでも新たな問題が発生した。
「交換後の端末も発火した」
──という報告が相次いだのだ。
以下のような報道が立て続けになされている。
・交換後の「Galaxy Note7」でも発火か – cnet Japan
・サムスンタブレット発火でデルタ航空機マンチェスターに緊急着陸 – Sputnik
・またまたリコール後のGalaxy Note 7が爆発!突然手の中で溶け出す – iPhone Mania
・Samsung、交換品Galaxy Note 7でも発火する事故を受けて声明を発表 – ガジェット通信
原因不明のまま続く混乱
このGalaxy Note7の発火問題、原因の完全な特定には至っていない。
製造過程のミスか? 設計上の欠陥か?
それとも、内部の熱制御が不十分だったのか?
どの仮説も完全には立証されておらず、Samsung側も声明を出しつつも、根本的な原因解明には時間がかかるとしている。
スマホの「火災」は命に関わる
何より問題なのは、これが人命を危険にさらす事故だということだ。
さらに、発火は、大規模な二次被害につながる恐れがある。
密閉された航空機内での発火、就寝中の枕元での爆発、衣服の中で溶け出すスマホ──これらが現実に起きたのだ。
スマートフォンは、もはや現代人にとって「身体の一部」と言っても過言ではない存在だ。
だからこそ、その安全性は絶対に保証されなければならない。
ハードウェア開発における責任
Galaxy Note7の失敗は、企業にとって重大なブランドダメージとなっただけでなく、モバイル機器全体に対する消費者の信頼を揺るがす出来事だ。
リチウムイオンバッテリーの設計・製造は、便利さと同時に極めて高い安全管理能力が要求される分野である。
製品が市場に出る前に、どこまでシミュレーションし、どこまでリスクを洗い出せるか。これは、単なる「技術力」ではなく、倫理と責任の問題だ。
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