企業の内部留保 過去最高の366兆円 ― 給与は横ばい
財務省が発表した法人企業統計によると、2016年3月末時点の企業の内部留保(利益剰余金)は前年同期比6%増の366兆円となり、過去最高を更新しました。一方で、従業員の給与は横ばいにとどまり、安倍政権以来の「企業の利益が賃金や消費に波及する」という政府のシナリオは実現していません。
内部留保は、売上から給与や配当などを差し引いた後に残る利益の蓄積。2012年末の政権発足時から34%増となっています。背景には、日銀の大規模金融緩和による円安で、海外収益が膨らんだことがありますが、国内の設備投資や人件費は抑制されたままです。
今年1~3月期の給与総額は28兆円で、前年とほぼ変わらず、政権発足時と比べて3%の減少となっています。
消費や投資のためのお金が国民に回る仕組みとは?
(* `・д・) : なんか…ほんとにひどい数字だねー。
安倍政権発足以来、企業の内部留保は 34% 増加。
でも、その一方で、給与は3% 減少って……。
「トリクルダウン」って、一体なんだったの??
(=´・ω・) : 「とりくるだうん」なんて、最初から まるっきりインチキって言われてたじゃん!!
日本にインフレ政策を提言したクルーグマンだって、とりくるだうんなんて詐欺だって断言してたよっ!💢💢
(* `・д・) : これだけ金融緩和しても、企業の内部留保が増えるばかり……。これじゃ、消費なんて回復するはずないよね。
そりゃ、日本のGDPがマイナス成長するのも当然だわ。
(=´・ω・) : 日銀が刷ったお金、全部企業の内部留保に吸い込まれただけ。
要は、経団連の言いなりになった結果ってこと。
(* `・д・) : アメリカは同じく金融緩和してても、失業率は改善してるし、消費も伸びてるよね? 何が違うんだろう?
(=´・ω・) : 日本はね、労働者や消費者、投資家にお金が還元される仕組みが、そもそも脆弱なの。
(* `・д・) : じゃあ、どうすれば、消費者にお金が回るようになるの?
(=´・ω・) : 革命っ‼
(* `・д・) : おい!
(=´・ω・) : 前にも話したけど、アメリカ人の家計は投資比率が高いんだよ。
日本人が貯金する規模と、アメリカ人が株式市場に流す資金の規模、実はほぼ同じ。
それに、アメリカでは、個人が株主として企業を監視する文化が根付いてる。議決権を行使する人も多い。
だから、企業が労働者や投資家に利益を還元しないような経営は、許されない。
(* `・д・) : 日本は、株の大半が企業間の持ち合いだから、個人投資家による監視なんて機能しないし、
労働組合も企業ごとで、経営陣とズブズブ。
これじゃ、日本の経営者はやりたい放題だよね。
(=´・ω・) : そう。
つまり、日本には企業を監視する仕組みがなくて、経営者が無敵状態。
しかも、その無敵な人たちが集まって、「経団連」っていう政治的圧力団体を作ってるから、政治すらまともに機能しない。
企業統治もなければ、行政の監督もない。
結果として、労働分配率が企業に有利な形で極端に低く抑えられてる。
(* `・д・) : だから、企業の内部留保が増えても、給料は上がらないのかー。
非正規雇用は増えるし、技能実習生という名の安価な労働力を大量に受け入れてるし……。
でも、こんなこと続けてたら、結局、国内の消費が伸びずに企業の業績も落ちるんじゃないの?
(=´・ω・) : そう思うでしょ。
でも、日本には、アメリカのクレカ依存とは比べ物にならないくらい、過剰消費してる人たちがいるから、大丈夫なんだよ。
(* `・д・) : えっ、誰? 今の日本でそんな人いる?
(=´・ω・) : いるじゃん。日本政府。
(* `・д・) : ……は?
(=´・ω・) : 日本政府は、毎年「特例法」で赤字国債を発行してるんだよ。
もう特例でも何でもない。恒例行事。
誰も責任取らなくていい仕組みになってるから、税金は使ったもん勝ち。
政官財が癒着して、無意味な事業に大量の支出をしてる。
その財源が足りなくなったら、「消費税10%にします!」って……もう、意味わかんないよね。
(* `・д・) : アメリカは、個人がカードで借金して、消費を回してて、日本は、国が国債で借金して消費を回してるってこと?
(=´・ω・) : そういうこと。
日本政府の借金は、もう1000兆円超えてるよ。
そのツケは、将来の子どもたちと、今の若者たちに全部押し付け。
で、その国債を買ってるのが、国民の預貯金を扱う金融機関。
国民がコツコツ貯めたお金が、政府の浪費を支えてる。
(* `・д・) : ……え”ー! なにそれ、皮肉すぎる……。
(=´・ω・) : 日本は貯蓄率が高くて、1746兆円も預貯金がある。
だから、国債は国内だけで消化できる。
普通なら、国外に売らなきゃいけないはずだけど、日本人は投資をしないで貯金しかしないから、銀行に資金がダブついてる。
で、日本の銀行は無能だから、将来有望な産業に投資するわけでもなく、国債を買って寝かせるだけ。
(* `・д・) : 国民が頑張って貯めたお金が、政府と経団連にいいように使われてるってこと?
(=´・ω・) : うん、ざっくり言えばそういうこと。
アメリカ人がカードで借金して消費してるのと同じことを、日本は政府がやってるんだよ。
つまり、政府がリボ払い状態で贅沢してる感じ。その原資は、国民の節約したお金(笑)
(* `・д・) : ……なにそれ?
こっちは給料増えないのに、税金や社会保障費ばっかり上がって、ほんと苦労してるっていうのにっ!!
(=´・ω・) : 政府や経団連から見れば、文句を言わず、貯金だけする国民は、ほんとありがたい存在だよ。
文句も言わずに長時間労働して、給料上がらなくても耐えて、非正規雇用になっても従って、株主にもならず、組合にも入らず……。
そして、選挙にも行かない。こんな都合のいい国民、他にいないよ。
(* `・д・) : ……なんだか、腹立ってきたーっ!!
さっきから、嫌味ばっかり言ってないで、もっと建設的なことないの!?(怒)
(=´・ω・) : 言いたくて言ってるわけじゃないよー!
でも、景気回復の王道を考えるなら、やっぱりアメリカのモデルは参考になる。
もちろん、そのままは無理だけど、
「政府が消費者になって経済を支える」じゃなくて、
国民一人ひとりにお金が還元されて、それで消費が回復するのが本来の姿。
(* `・д・) : うーん……やっぱり、政府が使うんじゃなくて、国民が使う仕組みにしないとダメなのね。
(=´・ω・) : 最後に建設的な話をすると、さっき言った「逆」をやればいいんだよ。
- 株主になって、企業を監視すること。
- 自分で投資して、成長分野に資金を流すこと。
- 産業別組合に加入すること。
- 選挙に行くこと。
まずは、こういう基本から変えていくしかないんじゃないかな。
(* `・д・) : やっぱり……革命だっ!!!!
(=´・ω・) : おい。
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