この前、交差点で信号待ちをしていた時、自分のすぐ横、というか少し斜め後ろの人が突然、
「あのー、今、すいませんお時間いいですか?」とか言い出した。
えぇ。。。なに?なんかの勧誘?なんだと、驚いて、振り向いたら、AirPods(たぶん)して電話している。目が合いそうになったが知らん顔している。そして、信号が変わったら、何食わぬ顔して、スタスタと歩いて行ってしまった。
別の日。
今度は、向かいから歩いてきた男性が、自分の少し目の前まできたところで、突然、「あのさー」とか言い出した。
え?誰?なに?と、ひとりでびっくりしてたら、やっぱり、白いもん耳からぶら下げてるっ!
そして、何食わぬ顔して、スタスタと歩いて行ってしまった。
東京ってぇ、おっかねどごだなや〜。
大都会東京の人は、みんなあんな感じで街を歩いているのだろうか?
耳に携帯を当てる仕草というのは、周囲へのサインだ。
「私は、電話しています。あなたに話しかけているのではありません。」ということを伝える身振りとして機能している。
しかし、新しい技術がその状況を変えてしまった。
手ぶらで電話ができるようになった。電話の機能は向上したが、周囲へ配慮する技術は生まれなかった。そして、電話の際の「周囲へのサイン」だけが消えた。
使ったことがある人に言わせると、ノイズキャンセリングとマイクの性能が高すぎて、普通に携帯を耳に当てて話すよりも、より会話がはっきりと聞こえるらしい。
ほんとに対面している人と話しているような感覚になるそうだ。
どーりで、あの通話している人たちは、周りが全然見えていないワケだ。
歩きスマホもいまだによく見かけるのに、さらに、手ぶら通話が加わるのか。。。
これは、自分の方が歩くときに気をつけなくてはいけないのか、それとも利用者の方が気をつけるべきなのか。。。
「東京さ、歩ぐどぎは、気ぃつけねばなんねぇぞ」
「んだ、わがった」
爺が心配して、電話をくれた。
東京の街を歩くのが少し不安になっていたときだったので、家族からの心配の声が心に沁みた。
そして、私は、爺に感謝しつつ、AirPodsの通話を切った。
コメント