クックパッドお家騒動まとめ
料理レシピの共有サイトを運営する「クックパッド」が、お家騒動に揺れている。
創業者の佐野陽光氏と経営者の穐田誉輝氏が経営方針を巡って対立。アメリカを手本とした先進的な企業統治を実施していたはずの企業が、取締役会内の対立を修復できず、創業者と雇われ経営者との間で、経営権を巡るお家騒動へと発展した。
先進的なはずの企業統治は全く機能せず、脆くも崩れ去った。
前後の流れをまとめてみるとこんな感じ。
2007年、会社法に基づき「指名委員会等設置会社」へ移行
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穐田誉輝氏がクックパッドの社外取締役に就任
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創業者の佐野陽光氏と穐田誉輝氏が経営方針を巡って対立
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ごたごたとすったもんだが発生
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2015年11月、創業者の佐野陽光氏が自身の社長復帰を取締役会に提案
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2015年12月、指名委員会は佐野氏の提案を却下
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2016年1月、発行済み株式の43.5%を保有する佐野氏が、全取締役を刷新する株主提案を表明
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お家騒動へ発展!!
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ごたごたと、またすったもんだ
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2016年3月、株主総会後の取締役会で、穐田氏解任、岩田林平氏が新社長に就任
クックパッドが採用した指名委員会等設置会社とは、会社法に基づく組織形態のひとつで、簡単に説明すると。。。。。。まぁ、Wikipediaを読んでください。
指名委員会設置会社は、従来の株式会社とは異なる企業の統治制度(コーポレートガバナンス)を有する。株式会社では所有と経営が分離されているが指名委員会等設置会社では経営からさらに執行を分離している。具体的には、取締役会の中に社外取締役が過半数を占める委員会を設置し、取締役会が経営を監督する一方、業務執行については執行役にゆだね、経営の合理化と適正化を目指す。 企業の経営を監督し、意思決定を行う「取締役会」と、実際の業務の執行を行う「執行役」の二つの役割を明確に分離したのは、アメリカで採用されている組織構造のうち最大公約数的な部分を参考にしたものである。東証一部上場企業で導入しているのは、60社程度(マザーズ等も含めて70社程度、いずれも2018年8月時点)である(日本取締役協会調べ)。
指名委員会等設置会社 – Wikipedia
。。。だそうだ。
「所有」「経営」「執行」を明確に分離し、相互に牽制できるような組織構図を作ることで、組織運営の合理化を図ろうというもの。三権分立のようなものだ、たぶん。
しかし、権限を分離し、相互に独立させたことで、意思決定をまとめることができなくなってしまった。意思決定を取りまとめる中枢が機能麻痺を起こした結果、経営方針の対立が修復不可能となり、経営権の争奪戦までに発展してしまった。
クックパッドの経営権を巡るお家騒動は、今のところ、創業者で筆頭株主の佐野氏が優位な形で収まったように見える。
しかし、このゴタゴタで生じた経営内部の混乱は、しばらく尾を引きそうだ。
暴落する株価
前社長の穐田氏は、多角化路線を敷き、収益の基盤強化を図っていた。対して、佐野氏は今後、経営資源を料理関連の事業に集中的に投資し、増えすぎたグループ、関連企業の整理を開始するとしている。
この経営戦略の転換が、今後の事業収益にどのような影響を与えるのかまだ分からないが、経営権争いが生じたことで企業内統治の脆さを露呈することになってしまった。市場での評価は、急速に落ちていった。
このお家騒動を受けて株価は急落。
昨年11月頃には2600円ほどまで上がった株価は、現在1000円を割り込むまで落ちてしまった。
お家騒動勃発時
2016年01月20日
終値: 1683
前日比: -500 (-22.90%)
株主総会後、穐田氏解任、岩田氏新社長就任
2016年3月25日
終値: 1839
前日比: -285 (-13.42%)
穐田氏持ち株の売却の意向を表明
2016年8月26日
終値: 970
前日比: -49 (-4.81%)
多角化経営を改め、創業理念に立ち帰って、料理関連事業を育てていく―――
この経営方針は決して悪いとは思わない。しかし、お家騒動で市場からの評価は著しく損なわれてしまった。企業統治の脆さへの不安は、そう簡単に払拭されそうもない。株価の低迷はまだしばらく続きそうだ。
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