自炊とは?
「本の自炊(じすい)」とは、自分が所有する紙の本をデジタル化する行為を指す日本の俗語。
2010年頃から書籍を裁断して画像データとしてPCに取り込み電子化する「自炊」が流行し始めた。この流行のきっかけとなったのはiPadの販売だ。2010年5月にAppleから発売されたTablet型のPCは電子書籍に対する期待と需要をいっぺんに高めることになった。iPadは、電子書籍の分野で先行していたAmazonのKindleをはるかに超える人気商品となった。
iPadの流行に伴って、電子書籍に対する関心が高まると、自炊を始める人が急激に増えていった。
自炊の基本的な手順
具体的には、以下のような手順で行われる。
- 本を裁断する
→ 裁断機を使って、本の背表紙を切り落とし、ページをバラバラにする。 - スキャニングする
→ フラットベッドスキャナやドキュメントスキャナ(ADF付き)を使って、各ページをスキャンし、PDFや画像データとして保存する。 - データの整理と保存
→ OCR(文字認識ソフト)を使ってテキスト検索可能なPDFに変換することもある。これにより電子書籍のように扱えるようになる。
「自炊」という言葉の由来
もともと「自分で食事を作る」という意味の「自炊」からの転用。
書籍をデジタルデータとして「吸い取る」こと、「自分で本をデジタル化して消費(読む)する」ことを「自炊」にかけたことから。
自炊の利点・欠点
利点
- 書籍を大量に持ち歩かなくてよい
- 検索機能で読みやすくなる(OCR)
- 保存場所の削減
欠点・注意点
- 手間と時間がかかる
- 道具・機材を揃えるのに費用がかかる
- 裁断により本が物理的に破損する
- 著作権法に注意が必要(自分で買った本のみ、個人使用の範囲内で行うのが原則)
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